レッスン11:現代日本における個人主義と組織の在り方 すみ

レッスン11:日本における個人主義と組織の在り方

語彙

語彙 読み方 意味 例文(英訳)
尊重
尊重する
そんちょう 価値あるものとして大切に扱うこと 個人の意思(いし)を尊重する組織文化が求められている。
(An organizational culture that respects individual will is being called for.)

お互いの文化の違いを尊重して、会話すべきだ。

彼の功績をみて、
尊重ざるを得ない。

犠牲
②犠牲者
犠牲になる
ぎせい
②ぎせいしゃ
何かのために大切なものをささげること
sacrifice
②victim
集団(しゅうだん)のために個人を犠牲にする考え方は、もはや時代遅れだ。
(The idea of sacrificing the individual for the group is now outdated.)

彼は、溺れた人を助けるために、冷たい海に飛び込み、犠牲となった。

犠牲者の状況に対して、心から
お悔(く)やみ申し上げます。

葛藤 かっとう 正反対の感情や選択肢の間で迷い、苦しむこと
to be conflicted
組織への帰属意識と自己実現の間で、
激(はげ)しい
葛藤を感じる。
(I feel a strong conflict between my sense of belonging to the organization and self-actualization.)

両親が離婚するとき、どちらについていくべきか、葛藤した。

子供はオーストラリアかイタリアへの留学で葛藤してます。

帰属意識 きぞくいしき 特定の集団の一員であるという意識 リモートワークの普及により、
会社への帰属意識が薄(うす)れている。
(With the spread of remote work, the sense of belonging to the company is weakening.)

技術の発展により、どこでも住めるようになったので、社会への帰属意識は無くなりつつある。

帰属意識を強くするために、会社はよくチームビルディングをしてます。

優先
優先する
ゆうせん 名詞
+する=動詞
他のものより先に扱うこと プロジェクトの完遂(かんすい)よりも、社員のメンタルヘルスを優先すべきだ。
(The mental health of employees should be prioritized over the completion of the project.)

車いすの人が電車に優先的に乗れるようになっている。

最近会社は社員のことを優先するより利益を優先しています。


敬語

語彙 読み方 意味 種類 例文(英訳)
仰る おっしゃる 「言う」の尊敬語 尊敬語 社長が仰ったように、個の力を引き出すことが重要です。
(As the president said, it is important to bring out the power of the individual.)

部長が仰ったことをメモしていなかったので、後になって、忘れてしまった。

社員は社長が仰る通りに働いています。

伺う うかがう 「聞く・尋ねる・訪問する」の謙譲語
ask
謙譲語 新しい評価制度について、お考えを伺いたく存じます。
(I would like to ask your thoughts regarding the new evaluation system.)

私は課長に今度の新製品について伺った。

みなさんのご意見はアンケートで伺いたいと思っております。

お目通し いただく おめどおし いただく 「見ていただく」の謙譲の表現 謙譲語Ⅰ こちらの資料にお目通しいただけますでしょうか。
(Could you please take a look at these materials?)

社長に、企画書をお目通しいただきました。

新作についての資料を
お目通しいただけ
ませんでしょうか。

存じ上げる ぞんじあげる 「知っている」の謙譲語 謙譲語Ⅰ 先生の自由至上主義に関するご見解は、かねてより存じ上げております。
(I have long been aware of your views on libertarianism.)

この件については、私は存じ上げております。

みなさんがご存じの通り、政府は政策を作っています。

最新情報を存じ上げることを成功のカギと思っています。

お越しになる おこしになる 「来る」の尊敬語 尊敬語 本日はお忙しい中、弊社へお越しになり、ありがとうございます。
(Thank you for coming to our office today despite your busy schedule.)

お客様が一階のエントランスにお越しになったので、私は迎えに行った。

本日、お越しになり、ありがたく存じます。


会話パターン

パターン1:組織の在り方(ありかたstate of being)についての相談

ジュン:部長、お忙しいところ恐縮(きょうしゅくI’m honored)ですが、少々お時間を伺ってもよろしいでしょうか。

(Manager, excuse me for bothering you while you are busy, but may I ask for a moment of your time?)

部長:ええ、構いませんよ。どうしましたか?

(Yes, that’s fine. What’s the matter?)

ジュン:次回のプロジェクト体制についてですが、個人の専門性をより尊重(そんちょう)した編成(へんせい)にすべきだと考えております。

(Regarding the next project structure, I believe we should form a team that respects individual expertise more.)

部長:なるほど。しかし、組織(そしき)としての まとまり、つまりメンバーの帰属意識も無視できません。

(I see. However, we cannot ignore the unity of the organization, that is, the members’ sense of belonging.)

ジュン:仰る通りです。ですが、集団(しゅうだん)のために誰かが犠牲(ぎせい)になる形では、長期的(ちょうき てき)な成功は見込めないのではないかと葛藤(かっとう)しております。

(Exactly as you say. However, I am struggling with the dilemma that if someone has to be sacrificed for the sake of the group, we cannot expect long-term success.)

部長:ジュンさんの考えはよく分かりました。一度、提案(ていあん)書に目を通した上で、再度(さいど)議論(ぎろん)しましょう。

(I understand your thoughts well. Let’s discuss it again after I have had a look at your proposal.)

パターン2:外部講師との打ち合わせ

ジュン:本日は遠方(えんぽう)より弊社(へいしゃ)へお越しになり、誠にありがとうございます。

(Thank you very much for coming to our company from so far away today.)

講師:いえ、こちらこそ お招き いただき 光栄です。

(Not at all, I am honored to be invited.)

ジュン:先生の「個人の自由と組織(そしき)」に関する論文(ろんぶんthesis、treatise)は、以前から拝読(はいどく)し、存じ上げておりました。

(I have read and been aware of your papers on “Individual Freedom and Organization” for some time.)

講師:ありがとうございます。今の日本の組織では、何を優先すべきか、多くのリーダーが葛藤しているようですね。

(Thank you. It seems many leaders in modern Japanese organizations are struggling with the dilemma of what to prioritize.)

ジュン:はい。本日の講演(こうえん)では、個を犠牲にしない組織運営(うんえい)について、ぜひご教示(きょうじ)いただきたいと考えております。

(Yes. In today’s lecture, we would definitely like you to teach us about organizational management that does not sacrifice the individual.)

講師:承知(しょうち)いたしました。私の知見(ちけん)が皆さんの助けになれば幸(さいわ)いです。
①しあわせ 幸せ
②さいわい 幸い

(Understood. I hope my insights will be of help to everyone.)


項目 犠牲(ぎせい) 被害(ひがい)
主な意味 ある目的のために、大切なものを捧(ささ)げること。 災難や不利益を、外部から受けること。
主体性 自発的、あるいは運命的。 何かの「代償」としての色合いが強い。 受動的。 自分の意志とは無関係に「こうむる」もの。
ニュアンス 重みがあり、感情的・尊い印象を与えることもある。 事実に基づいた損害や不利益を客観的に指す。
使われる場面 戦争、政治的信念、家族のため、システムの不備など。 地震、詐欺、事故、嫌がらせなど。